20191023

だいじなのは小さな物語の集積 2019年の100日記,


とても嬉しいことがあったので、聞いてください!GREEN HOUSEさんのインスタグラムで、わたし真子のことを素敵に紹介して下さいました。「コンセプトを根っこから知ろうとして下さる方。」「とても勉強熱心。」本当に嬉しく光栄なことです。そして、今回ご依頼してくださっている「絵」、きっと魅力的な「物語を織り込んだ絵」にしあがることでしょう!


お仕事として絵を描く時は、ケースバイケースで様々な方法があるのですが…
直接わたしに、絵のご依頼をしてくださった方に対しては、なるべく多くの時間を「情報を集め整理する」作業にあてるようにしています。そして、

「物語を集めて組み直し、一枚の絵にしていく」という方法で絵を描き上げます。興味深く、すごく楽しんで、その作業にあたらせてもらっています。 

物語は、現場に落ちていたり、その土地の地層の中に埋まっていたり、書物の中にあることもあれば、神社に残された言い伝えに姿を潜ませて、湧き水と一緒に吹き出してきたりします。そして何よりも、対象としてる場所、またはプロジェクトに関わっている一人一人の内側にそっと眠っていたりします。


(お仕事としての絵のご依頼には、もちろん時間にも予算にも限りがありますが、限りがあるからこそできることも、生まれるものもあるような気がしています。集中して感覚をそば立たせるには、むしろ時間制限があった方がうまくいきます。)


私に絵をご依頼してくださったミスズアグリさんでは何十人もの方が働いています。わたしはそのうちの数人の方にお会いし、それぞれの方と少しづつお話をさせてもらいました。社長さんはじめ、総務として働いている方や、飲食店のスタッフとして働いている方、店長になられる方、農場で、または肥料づくりの現場で働いている方に、働いていた方…。一人一人の心の中にある、ご自身の仕事への想いや、思い出、楽しんでいること、大切にしていること…そういった個人の物語を聞かせてもらいました。ひとつづつ、拾い集めてつなぎ合わせて織り込んでいくことが、「ひとつの会社全体をあらわす絵」を描くわたしなりの方法です。


一文でコンセプトを説明し、ターゲットとするお客さんの胸に刺さる「キャッチコピー」のような鋭さや、折り込みチラシのような明快な紙面をつくるのは、わたしにはちょっと苦手です。でも、キャッチーな言葉やロゴマークのうしろに回り、一見ぼやっと霞む背景となりながらも、小さな物語たちを紡ぎ、大きなイメージを描くことは得意かもしれません。物語は繋がりながら、お互いをうつし合い、キラキラ輝く、光の網になります。ジュウジュウタイモウのイメージです。


私の絵は、(腕のいいコピーライターさんと組まない限り)広告/広報という意味での即効性には少しかけるかもしれませんが、スルっと人々の意識の中にすべりこみ、時間をかけて効果を出してくれるんじゃないかな、と自分なりに思っています。いつの間に側にいて、ながく寄り添う絵。物語全体の持つイメージを好きになってくれるファンを増やしていくような。そういうお手伝いをする絵です。見た目は素朴で柔らかい物腰の絵ですが、そこに描かれている物語は「リアル」だから、それは実はとても「つよい」のです。ニセモノの、雰囲気だけ今っぽく仕立てたイメージは時間が経てばメッキが剥がれていきますが、本物は味わいを増していきます。

そんな絵を描くにあたり、だいじなのは小さな物語の集積です。あるひとつの企業さんのことを知ろうとした時に、私が気にするのは、企画書の中の企業のコンセプトを示す一文というよりも、(もちろんそれもだいじですけども)、動いている実際の現場の風景だったり、ひとりひとりがどのように働いているかだったりします。そういった話を集めたいなぁという時に、相手側の方に、「コンセプトを根っこから知ろうとして下さる方。」だと言っていただけたのなら、それは良い追い風に乗っていることになります。 ・


だからもう、きっといい絵になることでしょう。

ミスズアグリ さんの新店舗の壁画。
心地よいエネルギーがふつふつと湧いてきます。

makopenandpaperの壁画制作
あるいは
本気の空想スケッチ


*
最近本をつくっています
自分の制作や仕事の取り組み方の、言語化を試みているところです

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