20070927

麻績村の夫婦

   

      夏の星座にぶらさがって 
           
      上から花火を見下ろして 


夏の終わり、夏の星座は空の隅に追いやられているけれども。 
花火を見ました。念願の、今年初めての花火。おそらく今年最後の。 
いい花火でした。いい夜でした。最高です。 

花火、見下ろしてきました。 

信州、松本から車で小一時間ほど走った山の中腹辺り 
聖高原のそばにある、麻績村(おみむら)からは 
山の下にある隣町の花火を見下ろすことが出来るんです。 
足元に打ち上がる花火。 

「今年は(今年も)花火を見ていない。すごく見たかったのに」 
と、そんな私に 
「一緒に花火を見下ろしに行かない?」 
と素敵なお誘いをして下さった先輩の言葉に甘えて 
「行く」と、ちょろちょろ後をついて行く金魚のフンみたいな私。。 

着いたのは、麻績村にある先輩のお友達夫婦のお宅。 
「は、はじめまして。おじゃまします。」 

なぜだか、先輩のまわりには、素敵なおもしろい人達がたくさん居る。 
今回お世話になったご夫婦もまた然り。 
ほんわかあったかい、可愛らしい絵を描く画家のねぇさんは 
底抜けの明るい笑顔と、楽しいマシンガントークの持ち主で 
とってもきもちのよい人で 
私は、初対面だってことを忘れ、くつろいで楽しんでしまう。 
そんな妻をやさしく見守る、料理上手な建築家のだんなさんの 
おいしいご飯を食べて 
そんなご夫婦の、これまた素敵なお友達の手作りのお酒 
さっぱりとした最高においしい梅酒を飲む。 

山の斜面にたつ可愛らしいおうちの縁側に座れば 
2Mほど下に地面が見える(斜面だからね。) 
足をぶらぶらさせて眼下の花火を眺めましょう。 
私は気分が良くなりすぎて、勢いあまってスリッパを 
斜面下のお隣さんの畑に飛ばしてしまう。 
ご夫婦の隣にすむ、これまた素敵なおじさんが 
「シンデレラ〜♪」と言いながら2M下からスリッパをはかせてくれ 
ついでに畑の葡萄をもいで渡してくれる。 
このおじさん手作りの 
妙にリアルな8頭身の乱れ髪の妊婦のカカシが 
花火に背を向けて気だるそうに畑に立っている。 
「花火?何が楽しいの?私は花火なんかみないわよ」 


すてきな、気持ちの良い人の周りには、 
すてきな、気持ちの良い人が居て 
そんなすてきな人の隣にはまた  
すてきな、気持ちのよい人がいて。 
そしてみんな楽しそう。 

みなさんそれぞれ、毎日いろいろと大変なのだろうけど 
きもちのいい夜を楽しむことを知っている。 

なんだかうまく言えないけれども 
私も精進して 
すてきな、気持ちの良い人になって、 
すてきな、気持ちの良い人たちと繋がりながら 
きもちのいい楽しい時間を紡いでいきたいもんです。 
そう思いました。 

素朴な木の床にあたたかい照明 
すてきねぇさんの大きな絵の下のふかふかベッドで 
犬のランちゃんと、先輩と、私で、川の字になって眠りました。 
ほわほわ とした夜でした。 

居心地の良い すてきなおうちでした。 
なにより すてきな ご夫婦でした。 
犬もかわいいし。(この犬、ちょっとずうずうしいけど) 
朝御飯も昼御飯も、おやつタイムの珈琲もおいしかったです。 
(私も犬に負けず劣らず、ずうずうしい? 
くつろぎすぎ、馴染みすぎ、あまえすぎ…かも!?) 

私もいつか、二人が私にしてくれたように 
生意気な青臭い小娘を迎え入れて一緒に花火を見下ろせちゃうような 
懐のでかい人あたたかい人になって 
それからそれから、二人のすむ家のように、 
あたたかな居心地のよい家をつくりたいです。 
もちろん、おいしい手料理と…出来れば手作りのお酒でお出迎え。 


    夏の星座にぶらさがって上から花火を見下ろして 

    たしかに好きなんです もどれないんです 

    夏の星座にぶらさがって上から花火を見下ろして 

    最後の残り火に手をふった 



素敵な、きもちのいい時をありがとうございます。 
誘ってくれて、ありがとさんです。