20191017

最近本を作っています。トゲトゲの文章と格闘中。 2019年の100日記

「最近本を作っています」
「from making a book to letting people read it, 本を作ってから読み手に届けるまで,」の記録


どうも私は、生真面目にしか文章を書けないようで、ユーモアが足りてないよなぁ…と、悩んでいたところです。

「ポジティブでユーモラスな太宰治(の世界)があってさ。人間失格、とか、斜陽、じゃない太宰治。それで、やっぱり言葉は、もう、とても美しくて…。」と聞いて、太宰治の文章を読みたい欲求が高まっている真子です。こんばんは。



八ヶ岳倶楽部を再訪。テラス席にイガグリが落ちていました。トゲトゲでチクチク。私の文章はまさに、こんな感じでトゲトゲしていたように思います。


「これまで自分が作り出してきたもの、お仕事についてまとめた本を作りたい」と本格的に動きはじめたのは6月。編集者である友人(アズアズと呼んでいる)の提案により、何本かの文章を自分で書いてみることになりました。

とはいえ、絵ばかり描いているここ数年です、いざ文章を書き出してみると、なかなかうまく言葉が出てきません。随分と苦戦しました。線をコントロールすることに比べ、言葉を制御することの難しさといったら!なかなか波に乗れない私に、アズアズは何度もお題を投げかけてくれました。例えば、それは「働く」ということ。「真子ちゃんにとって、働くってどういうこと?書いてみて。読んでみたい。」


はじめて書いた「働く」をテーマにした文章は、今になって思うとずいぶんヒドイ出来でした。「トゲトゲでチクチクのまさにイガグリのまま、読者の懐に飛び込もうと無茶している」ような…。働くということを考えたときに、真っ先に過去の失敗や、ケチョンケチョンにうまくいかなかったことや、コテンパンにされたことを思い出し身体が硬直してしまうように文章も硬直してしまったのです。自分で書きながら、「なんてツマラナイ文章なんだろう、読者の方は読んで楽しいかしら…これじゃ全然楽しめないよね…」とテンションが下がってしましました。


毎週月曜の朝に本づくりのミーティングを重ねてきました。ツマラナイ文章だと自分で思った文章は、他の人が読んでもツマラナイものだったみたい。しゅーんとなっている私に編集者アズアズの熱い言葉が降りそそぎます。「これまでのお仕事で、ほんとうに楽しかった瞬間を思い出して!一緒にお仕事をした人や、クライアントさんや、関わったいろんな人で、ありがとうを伝えたい人の顔を思い出して!ありがとうを手渡すつもりで書いてみて…」


編集者のアズアズは、勢いよく喋りながらも、私のイガグリの殻のような鎧を砕いてくれました。働く中で楽しかったこと、ありがとうと伝えたいこと…自分の内側の記憶の中を探ります。トゲトゲの奥には美味しそうなツヤツヤの栗のような、宝物のような言葉が出てきました。トラウマ的経験のかげに隠れていたけど、確かに確かにしあわせな瞬間や、心があたたかくなった出来事、たくさんありました。自分でも驚くような、新たな発見もありました。


毎週毎週の本づくりミーティングの中で、イガグリ真子の文章を、つるんと剥いて中身を取り出す作業に、根気よく付き合ってくれたのです。

そうこうしていたら、栗のような素材がコロコロといくつか集まってきました。さてここから、さらに、美味しくいただけるかたちにお料理をしていく時間です。ふっくらと蒸しあげて、塩をパラリ。あるいは焼いて、甘みを引き出して、それとも縄文土器で煮込んで原始的にいただくか、もしくはエレガントなモンブランへと変えて…。さて、どのように料理いたしましょう。

まだまだ稚拙な私の文章、いくらでも磨く余地がありそうです。
一旦手を止めて、太宰治のユーモラスな短編といわるものを読んでみますかね。。

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