20191118

喫茶レストラン「丘」の、スクラップブック。2019年の100日記

もし、愛知県民岡崎市の、東岡崎駅まわりのルポタージュを書くことになったら、そういう依頼が来たライターさんに、私は、喫茶レストラン「丘」でコーヒーを飲むことをオススメする。ギラギラ内装で有名なお店だが、意外なほど落ち着く空間で(ほんとだよ!)、実は本棚が渋くて、いい。店主さんのスクラップブックの数々は一見の価値あり。





岡崎のゆるキャラ、オカザえもん、についてのスクラップブックは何冊にも渡る!オカザえもん、に関する新聞記事や、町の広報誌、イベントのチラシ、市長さんのオカザえもん評(時系列で内容がかわる)と、様々な媒体を渡った資料が、時系列に揃えてくれてある。市長さんとオカザえもんが対立したひと騒動、などの出来事も。様々な媒体の記事を横断することで、いろんな目線でオカザえもんを追いかけていくと、物語が立体的に浮かびあがってくるようでワクワクする。


さて、私は、岡崎市の都市整備計画についての調べ物の町歩きをするために岡崎に来た。と、そう店主さんとお喋りしたら、「それならほら、これを」と次から次へとファイルを出してきてくれた。乙川リバーフロント地区の整備計画。橋の耐震改修、その予算など書かれた新聞記事の切り抜き。の小学生向けのコンクール、リバーフロントの未来の使い方を提案する絵の受賞作品のいくつか。まちづくりワークショップお知らせチラシ。プロジェクトに反対するチラシまで。構想、計画、推進派、反対派、行政の動き、民間の動き、大学の先生達や学生の動き、コンサルの方の提案と子ども達の提案。ファイルのページをザザザザザーーっと斜め読みしていくと、違う視線がいっしょくたに、時間の軸に絡みついて脳内に入り込んでくる。2014年間からの6年間に渡る資料。サッと目を通しただけでも壮大な物語を読んだ気分だ。(大河ドラマを一年分見たような満足感)。実に、面白い。
丘さんにお礼を言って町に出た。
先程のスクラップブックの情報が頭の中に詰まっておる状態での町歩きだと、それまでとはまた違った風景が見えてくる。1人でぷらっと歩いて、お店に入り、それぞれの店主さんと挨拶をして、隣の席のお客さんとお喋りをしたりして。(岡崎の町にはフレンドリーな人が多い!話しかけてくれる方がたくさんいて、あたたかいきもちになる。)
肌感覚とお喋り情報と、何層にも重なっていくまちの情報。それから、市役所の方からいただいた整備計画の資料に再度目を落とす。ドライに見えていた地図の向こうに、色鮮やかなドラマの数々が透けてみえるような…。
面白いな。面白いね。面白い。「情報処理」という作業から得られるワクワク感と面白さ、AIに全部取らせちゃうにはもったいないよね。せっかくこんなに楽しいのに!
ギラギラ楽しい喫茶店での、スクラップブック読書(読書?)と、町歩きのススメでした。 
パワフルな店内に感動ー。リーズナブルでボリュームある喫茶店ごはんも嬉しい。看板メニューのエッグカレー、美味しくいただきました。おなかいっぱい!ごちそうさまでした!




*「丘」について知ったのは数年前…「あいちトリエンナーレ2013」スタッフ同士として知り合った、大竹敏之さんがお話ししてくださったのがはじまり。大竹さんは地元愛知への愛溢れるライターさん。名古屋の喫茶店や居酒屋のことならこの人!という方。(2枚目の写真「名古屋の喫茶店」は大竹さんの著書) 数年間があいてしまいましたが、ようやく来ることができましたよーー!

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