20191111

「問わず語り」のお稽古 2019年の100日記,

【「問わず語り」のお稽古】

または《私、真子の「空想スケッチ」の聞く力をアップする為のトレーニング》


「初対面の人の話を聞いて、その人が思い描く夢やイメージなどを絵に書き出します」という「空想スケッチ」という絵のサービスをしています。細々と続け5年ほどになります。来年2020年は、この「空想スケッチ」に磨きをかけて、グンとレベルアップさせたいと思っています。参加してくれた方、依頼してくれた方が、より高い満足感を得てくれるようにしたい…ということもあり、「話をきく」トレーニングをしてきました。これが実におもしろい体験でしたので、紹介させてください。


大学の先輩の紹介で「聞く」お稽古の場に行ってきました。そこには10人ほどが集まり、講師の方も一緒に輪になって、「問わず語り」と呼ばれている手法のお稽古をしていました。心理カウンセラーさんによるミニカウンセリングの手法をベースにしているようです。

2人でペアになり、1人が話し手、もう1人は聞き手に徹します。15分間と時間を区切り、その間は「聞き手の時間を話し手にプレゼント」するイメージで、ただただ耳を傾けます。そして15分経ったら交代。(役割を交代するというのも、とても重要で有効なことだなー!いい仕組みだ!とウンウンウンウンうなづいていました。)

話の内容に分からないことがあっても、聞き返してはいけません。それは相手の流れを止めるからです。ウンウン、など相槌もダメです。ウンの言葉ひとつでも、肯定だけでなく、疑問、否定の意味も表現されてしまうからです。分かるーなっとくするーという時は「ウンウンウンウン」と素早く何度もうなづきたくなるし、ちょっと納得できないときは「うーーーん?」ってイントネーションが変わってしまう。それだけでも話し手は敏感に察知し、話そうとした言葉を引っ込めてしまうかもしれない。聞く側は、とにかく話し手が萎縮することないように、ただただ受け止めるのです。(ただし内容があまりに聞くに耐えない場合は途中で辞めたいと、聞き手側から申し出ることもあるそうです。)

話を聞いた後で、文字起こしをして、お話の内容を丁寧に辿り、分析をするところまでで、一区切りです。

初対面の人の話を徹底的に聞く、聞き込んで分析をする、という滅多にない不思議な経験です。

たった一回、少し体験しただけですが、想像していたよりも「いいもの」でした。カウンセリングの手法ということに納得。全く初対面の人同士だとしても、「15分という時間を贈り合う」行為により、どちらも心が休まりそう、です。聞き手に無理がかかりすぎないところも、実践的でいいなぁと思いました。



「問わず語り」のお稽古を、具体的に私の空想スケッチに生かすとしたら、やはり聞く時の私の姿勢。いつもは、質疑応答の中から相手の想い出を聞き出そうとして、ついつい質問ぜめにしがちです。次のレベルアップ版空想スケッチでは、今より少し、余裕を持った聞き取り時間を設けたいなと思います。「相手/話し手/依頼者が自分で自分の言葉を探す間」を待つようにしたら、もう一段深いところまで、心の中のイメージを探しにいけるような気がします。それは結果的に、より具体的な絵を描くことにつながるだけでなく。話した側も、話を聞いてもらえたことで、少しあたたかい気持ちを感じることができるかもしれない。



 「私の話を聞いてもらえた」と感じることって、日常生活でほとんどナイなぁ…と感じているのですが、みなさんはいかがですか?話をする前に、目の前の人に遮られ、聞いてもらえないだけじゃなく、押し付けられたイメージを元にダメ出しをされる…。世の中そんなもの、と受け流しているつもりでも、あまりに回数を重ねていくと、気づかないうちに心がくたくたに疲弊してしまいます。

「あぁ、今、わたしの話を聞いてくれているなぁ」と実感することができた時に、「あぁそうか、聞いてもらえるっていうことは、存在を認めてもらえると感じることなんだ」と心がふっと温かくなりますた。そんな経験をしたことが私にはあります。同時に「聞いてもらえなくても気にしないなんて、これまで強がっていただけなんだわ。ずいぶん傷ができてしまっていたわ。」とも気がつきました。

話を聞いてもらい、私も聞く、という心の一部の交換ができた方とは、長くご縁の続く大切な友人となっています。あたたかい貴重な聞き合う交流は人生の節目ふしめにちょこちょこあらわれます。有難いことです。

「話を聞いてくれる人=存在をそのまま認めてくれる人」は私も大事にしたい。その人の話を私も、丁寧に聞けるようになりたい。との想いがキッカケで「聞く」または「聴く」ということは、私にとっての一つの大きなテーマになりました。「聞く」っていったいどうしたらいいのだろう?どうしたら丁寧に話を聞けるのか、または、相手に「話を聞いてもらえた」と安心感を持ってもらう為の聞き方って何だろう?

初対面の方から、その人が想像している風景について聞き出して絵に描く
「 #makopenandpaperの空想スケッチ 」の脱皮にむけて 。

初対面のその場かぎりの人だとしても、少しの時間、心ひらいてお話する時間が持てることで、救われることもあるだろうな。と思うわけです。
今後のお付き合いのない方や、事情を知らない方の方が気楽な場合もあるかもしれない。

「空想スケッチ」を通して私が贈ることができるものは「絵」とともに「話を聞く時間」。「話を聞いてもらえた=否定されず受け止めてもらった」というあたたかい体験かもしれません。

そういう、ほんのちょっとの時間をね、贈りたいなと、思うわけです。

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