20081008

ゴハン/旅の記憶.1

山形、青森、秋田、宮城、岩手、神奈川、愛知にもどって、とんで広島 
長い旅の間、一貫して毎日かかさず行ったことがひとつ。 

ごはんを食べること。 

あたりまえなんだけど、あらためて、ごはんと毎日は切り離せないものなんだなと 
ごはんは基本なんだなぁと、思わずにはいられません。 
とくに、おいしいものが大好きで、味への好奇心が旺盛な私ですから 
旅のごはん写真、ならびにきになるレシピはしっかり押さえてまいりました! 
そんなごはんの記録。 
ちょっと小腹がすいたときにでも、この日記を眺めて楽しんでくだされば幸いです。 

   
                 □□□ 


山形県 遊佐町 あつさん家でいただいた朝ご飯 


衝撃的においしい山菜のお味噌汁!
おいしいおいしいって感動してたら、二日後の朝にまたつくってくれました。
なぜ二日後なのか。
それは、一日じっくり時間をかけないと、この味はだせないからです。
実はこの山菜、春に山で採ってきたものを一夏塩漬けにしていたもの。


使う分だけ取り出して、一日かけてゆっくり自然に塩抜きをする。
その山菜のおいしいことったら!
山菜を、おいしいとおもって食べたことなんて、はじめてだ。
あつさん家 朝のお味噌汁。こちらはかぼちゃ。
山形では味噌汁にたっぷり具をいれるのね。
もりた家のかぼちゃの煮物に匹敵するサイズのかぼちゃがごろごろ。
朝からほこほこ幸せになれます。
味噌汁に大葉を合わせるっていうのも初体験。
なるほどなるほど、うんうん。しきりに感心しながらごはんを食べる。


こちらもあつさん家での朝ご飯
手前の気になる壺にはいっているのは、「醤油の実」
初めて目にするこの食べ物、ごはんに合う合う。
酒かすに醤油を合わせて寝かせておくとできるんだそう。
いつか、酒かすがたっぷり手にはいるときがあったら作り貯めしておきたい。


遊佐町の人が愛してやまない「だだちゃ豆」
ふつうの枝豆とは、もう全然違うんだって、
老いも若きもみんな、だだちゃ豆のことになると熱い熱い。


んで、こちらは、三泊?食のお礼に私がつくった夜ご飯。
愛知県らしく、手羽先と、味噌煮込みうどんと…。
あとは次々とおこるハプニング(?)に対応したり、
作ってる途中で近所のおばちゃんがとどけてくれた採りたて野菜や手作りどぶろくなど
追加食材を使って、それに合う付け合せも一緒につくっていったら、
どんどん品数がふえていってテーブルの上がエライことに。


でもおいしいおいしいって食べてもらえて、ほっと一安心。
味噌煮込みうどんって、遊佐の人には、すごくなじみやすい食べ物みたい。




                 □□□






青森県 白神山地にむかう電車の中でいただいたおにぎり


お昼ごはんのお弁当まで、あつさんにお世話になってしまった。
あつさんの、おいしいおいしい漬物。
酒粕に漬けたことによる自然な甘味が新鮮。
おにぎりの具は、特製の味噌を大葉で包んで揚げたもの。
おにぎり自体は、ワカメと雑魚、生姜の炊き込みご飯。これは私の手作り。
ひとのうちの台所になじんで、ずうずうしくもマイペースにご飯をつくる私…
あつさんが寛大な人でよかったわ。
あれこれお喋りしながら一緒に台所に立つのってすごく楽しいものです。






                 □□□






秋田県 上潟市 おしゃれ農家さんのおうち


料理は材料を集めるところから始まる。
みちるさんと一緒に近所をお散歩。
かわいいおばぁちゃんが手入れしている畑も訪ねる。
こんにちは。はじめまして。愛知県から来ました真子です。
ちょこっとお野菜、いただきます。どうもです。


ごはんにつかうバジルを取りがてら、バジルの手入れ。
伸びてしまった芽や、花を摘む。


集めてきた野菜でさささっと料理をする。
この家の台所には、おしゃれで使いやすいキッチンツールがたくさんある。
どれもお父さんの手作りなんだそうだ。さすがです。

出来上がったパスタ。味付けは塩のみ。
シンプルなのにすごくおいしい。やさしい味がする。
野菜の味が、うまい。そのうえ素材を生かす料理方法。うん、素敵。
こーせいさんの作る野菜で、みちるさんが料理する。いいなぁ。
そんな二人が羨ましくてたまらない。


夜ご飯。
フラワートルティーヤでチリコンカーンやアボガドのソース、
タラモサラダやたっぷりの野菜を巻いていただく。
私は作ったのことのない種類の料理にドキドキする。
メキシコ料理?かな。二日目は沖縄料理を作ってくれた。
どちらも馴染みがなかったけど、おーーーいしーーーー。


で、こちら


畑の野菜たっぷりの朝ごはん。
初めて見る、トマトにかかった緑のふかふかソース。
あたらしい味、あたらしい食感、これ何ですか?すごくおいしいです!
で、教えてもらいました。ここでは内緒にしときます(笑)
やっぱりこれ、食べて、びっくりしてもらいたいもの。種明しは食べた人にだけ。
今ではもりた家の食卓によく登場する定番メニューになりました。
うちの家族にも大好評です。


おいしいジェノベーゼのつくり方(配合?)を教わる。
なんども作り直しては手帳にメモして行き着いた味なんだそう。
私もよく、作ってはメモり、試行錯誤を繰り返す性質なのです。
みちるさんとお料理話をしていると、話が尽きない尽きない。
一日中ずっと喋ってしまいそう。
教えてもらったジェノベーゼは瓶詰めにしてお土産にいただきました。


この時点でのお土産。
日本酒の鳥海ふすま(山形県遊佐町)は秋田で美味しくいただきました。
自家製ピクルス(秋田県みちるさん作)は岩手県こーせいさんのお師匠さん(!)へのお土産にしました。
自家製ジェノベーゼ(秋田県みちるさん作)はもりた家におもちかえり。
水芭蕉の手ぬぐいはよしこさんから。(山形県遊佐町)旅には手ぬぐいでしょ!とのこと。
アクリルたわしは、あつさんのお母さんの手編み。(山形県遊佐町)使い勝手が良い。


朝からきちんと、お味噌汁をつくって、お弁当をつくる。
すてき。




畑仕事へ行くこーせいさんをお見送りして二人でティータイムです。
バナナとくるみのシフォンケーキ。おいしい珈琲。


おみやげにと本をいただきました。鈍行電車の旅には嬉しい差し入れ。
「森の生活」。ほんとにいただいちゃっていいんですか?
同じ本を二人とも持っていたから、家に二冊づつあるのよーーー
って聞いたら、なんだかなんとなく、ほこほこした気分になりまして
ありがたく、遠慮なく、電車旅のお供に連れて行くことにしました。
帰り際、お弁当までいただいちゃいました。
秋田県から宮城県へ。一日かけての移動日のお昼に電車の中でいただきました。
そうめんカボチャの和え物、ゴーヤーチャンプルー、カボチャの煮物、バジルきゅうり。
おいしいつやつやごはんに、大きな焼き鮭のおにぎり。
ほんとにおいしい。ありがとうございます。ご馳走様でした。






                 □□□




宮城県 女川町は漁港の町だ。
8月下旬、北海道沖を泳ぐ秋刀魚の水揚げが始まったばかり。
いよいよ秋刀魚の旬到来。このはじめの時期の秋刀魚はとくにあぶらのノリがよく旨い。
もと漁師だというおっちゃんが秋刀魚の目利きを教えてくれた。
秋刀魚は、こう、身がぴんとしててな、嘴が黄色くて、エラが真っ赤なのがいい。
新鮮な証拠


でも、おじさん、私こんな秋刀魚見たことがないよ、といったら
そりゃそうだとおじさんは笑った。
獲って一日か、せいぜい二日。
新鮮な秋刀魚は刺身でも食べられるのだとか。秋刀魚の刺身だなんて聞いたことがない。
おじさんが捌いてくれた秋刀魚の刺身を食べた。うっまっ


より鮮度が命なのは“ほや”と呼ばれるもの。
その日のうちに食べないと、全然味がわるくなるのだとおじさんは言う。
だから、女川港でとれた同じほやでも、松島や仙台に届くころには不味くなっている。
ほやは癖があるから、食べる人を選ぶというのはそういう理由だ。
女川で食べたほやは、食べやすかった。コリコリした食感がたのしい。
そしてなによりもびっくりしたのはウニ。
私がいままで経験してきた(というほど回数もないが)ウニはいったい何だったんだろう。
この日はじめて、あのウニのにおいはカルキで消毒されたあとの臭いだと知った。


  
                 □□□




ところかわって岩手県花巻市
以前北海道のランドスケープデザインの会社にオープンデスクしていたとき
お世話になった(三日間くらい顔をあわせただけだけど…)すてきなおじさん後藤さん。
北海道から岩手にもどってきていると聞き、急遽寄ってみることに。
突然の訪問にもかかわらず、炭火をおこして迎えてくれた。


後藤さんと炭火はきっても切り離せない。 (のだと、後に広島のひとに聞いた)
しとしと雨ふる庭を横目に、縁側で炭火をおこし、岩魚を焼く。
じくじくあぶらが炭に落ちる音を聞くまでゆっくり待つ。
待つ時間も、おいしい時間だと思う。


で、また、朝ごはんもいただいてきました。
ほんとうになにからなにまで。ありがとうございました。


  
                 □□□




ぐっと南下して神奈川県。江ノ島でたべたのは釜揚げしらす丼


しらす一匹一匹が大きくて食べ応えがあってびっくり。
でも憧れの生しらすは食べられなかったのが残念。いつの日かリベンジしたい。


  
                 □□□




豊橋にもどって。
久しぶりに再会した、かわいい鉄鍋に頬ずりして一緒に海に出かける。
豊橋産のトマトと渥美産のマダカを、秋田でもらったジェノバソースで蒸し焼きに。
秋田の豊橋のコラボレーション。贅沢だ。
視界いっぱいどこまでも続く砂浜で波の音をBGMに晩御飯。




  
                 □□□




そして広島。
広島の人は「広島焼き」というと怒る。「お好み焼き」と呼べという。
広島のお好み焼きが元祖で、大阪のが「関西風お好み焼き」なんだと主張する。
まぁ、そんなこと私にとってはどっちでもいい。おいしいければいい。
ところで、広島では「お好み焼きの正しい食べ方」があるらしい。
さぁ、三つのうち、正しい食べ方はどれでしょう?




さて、こちらは泊めていただいた橋本さんちでの朝ごはん。
お父さんが釣って煮付けたというメバルが半端なくおいしい。
弟子入りしたいくらいだ。
この魚に私が、冷蔵庫にのこっているもので、一品つけたすことになった。
初めての人の家での台所で、あるもので(わけぎと豆腐と薩摩揚げと小海老)
味の好みも知らないはほぼ初対面の人に料理を作る
なんてプレッシャーだろう。えーっとえーっと、万人する味で…
こんなにどきどき緊張してごはんをつくったことってないかもしれない。


その日の夜ご飯は建築家の林さん夫婦のもとで。
屋上で月を眺めながら手料理を肴に乾杯!
韓国風のぴりっと辛い肉じゃがは、ぜひまねっこしたい味。
トマトとバジルのソースで食べるチキン、
たっぷりの大根おろしと一緒に食べる揚げだし秋刀魚。
どれもこれも最高においしくて感動した。




  
                 □□□








旅をすると、新しい味や新しい食材と出会えるだけでなく、
新たな料理法も身について、帰宅後の食生活が豊かになるから素敵よね。


そのためには、お店で名物りょうりを頼むだけじゃなく、
地元にながく住んでいるおじちゃんやおばちゃんの家の台所でご飯を食べることをススメます。
迷惑きわまりない!?でも、料理好きの人だったら、かわりに一食つくることでお礼ができることも!
一緒に料理して自分の家の味やらテクニック(!?)を交換し合うのも楽しい。
相手によることなので、なによりも肝心なのは
ま、料理が好きで、人好きないい人を嗅ぎ分けて探し出すことでしょうか。


とにかく素敵においしい旅でした。
各地でおいしいものを食べさせてくれた皆様に感謝!


将来、私はどこに住むかわからないが、
うちのちかくに、ご旅行の際は、どこかの店でごはんを食べるのもいいけど
私のうちの台所にもお立ち寄りください。
おもてなしいたします。

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