20191220

料理の盛りつけと、絵と、デザイン。 2019年の100日記

【料理の盛りつけと、絵と、デザイン。】
「あぁ、料理の盛りつけも、絵を描くの時と基本同じね!なるほどそりゃそうか!だって相手は人だもの!」と、テンションが上がっています。

「盛りつけの発想と組み立て ーデザインから考えるお皿の中の視覚効果」という本が、キッカケです。最高に面白い気づきをくれて、今、私、目がキラーーンとしています。

レシピを探して、図書館のお料理コーナーの本棚を眺めていたら見つけました。料理本に書かれていることですが、私が大学生院生のころ勉強した「デザインの基礎」と重なる内容だったのです。

「盛りつけの発想と組み立て」のお料理本は、基礎造形理論の流れに沿って展開されています。「点」「線」「面」さらに「立体」「色」「空間」と続きます。レシピ本の最終ページは色相環でしめくくられています。

19世紀初頭、バウハウスで教鞭をとっていたカンデンスキーが提唱した基礎造形理論がベースにあります。基本の要素を「点」「線」「面」に分けて検証し構成の再構築を促したカンデンスキー。構成要素の大きさ、位置、方向性、組み合わせ方などにより、それを見た人に与える心理的効果が変わります。安定感、あるいは緊張感、躍動感はたまた静寂…。
2019年の今となっては、古い理論、または、あまりに基礎的…と感じる方もいるかもしれませんが、いやいやこれがどうして、じゅうぶんじゅうぶん今も、とても参考になります。そして、じゅんぶん面白い課題です。面白い、というのは、追求しがいがある、という意味です。

私の絵の話をすると、「一色のペンの線画、何色かの水彩の色を落とす」というパターンでしあげたものが過去に何点があります。これがまさに、分かりやすい例として伝えられるでしょう。「点」をどこにどのサイズに落として、見る人にどんな「効果」を与えるのか…っていう、模索とその結果です。とても基本的なシンプルな作業。

「視覚的な効果」がどのように「人のきもち」に作用するのかを模索するという点が、料理と絵の共通項。ただし、料理はその効果が「食欲を刺激する」「美味しそうと思ってもらう」とある程度狭まい範囲に限定していますね。で、本を眺めながらふと、「料理の盛りつけが狙っている、狭い範囲の効果」ってわりと、そのまま「私の絵が狙いたい効果と近い」んじゃぁないかしら、ということ。


さらに、お料理の本の中にあった「盛りつけの意図を考える」章を読むと、グラフィックデザインや建築の授業のまとめを読んでいるかのよう。
①食べる人の目的、環境を把握する
②盛りつけの意図を考える(料理で伝えたいメッセージの決定)
③盛りつけの構成を組み立てる。表現方法のセレクト。 ・

design。デザイン。de-sign。方向性を指し示すこと。記号により計画の方向性を指し示すこと、または計画を記号で表すこと。解釈はいくつかでてきちゃいますけど、基本は、そう「指し示す」こと。お料理の盛りつけが「人のことを考え、その人のために」「目的意識を持って」「料理を構成していく」ことだと考えると、たしかにそこに、デザインの思考があるように感じます。

というわけで、私ウキウキしてしまって「じゃぁ、わたしに、お料理の盛りつけ、できないわけないじゃない!お皿の上で色面構成するとこからやってみよー!」と食材とお皿と向き合ってみたんです。

が、ここで問題発生。上記過程の③ですね。表現方法のセレクト…。そうです、手持ちの「食材をつかった表現方法、手法」がほぼない。構成案をあたまの中に思い浮かべたところで「案を具体化するための技術がない」要は「思い通りに手が動かない」んです。

そうです、たとえ理論の構築ができたとしても、美しいものを生み出せないなら、全然足りてないのです。ここでもまた、大学の先生との会話を思い出しました。

脳みそが手に宿る(ような感覚になる)まで
手を動かし続けること




岐阜のおうちの近所にて。もとフレンチのシェフだったという方に、上記の話をしたら、なんと、なんと、白いお皿とクランベリーソースを持ってきてくれて、盛りつけ方の一例を実演してくれました。見せながら説明してくれたのです。スプーンの動かし方、食材の、落とし方、さらに、その盛りつけに適しているのは、どんな食材であるべきなのか。なんといい人!(今はBBCというサンドイッチのお店を開かれています。お仕事の間に、技術指導!?ありがとうさんです。なんといい人、いいお店!ガッツリフレンチ修行をしたシェフの作るサンドイッチ絶品ですよ! ) ・
それが昨日の話。

そんなこんなで、ちょっと料理にはまってるここ三日間です。本業、絵描きの真子でした。


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